呆れる環境省からの回答
3月3日の環境省、文科省と福島の子供たちの保養を受け入れている神奈川県の市民団体主催の省庁交渉に参加した。いくつかいある質問の中で,『子ども甲状腺がんに関する要望事項(質問)』に対し、環境省は文書で回答することなく、口頭で回答してきた。回答に自信が持てないのだろう。他の省庁は事前に文書で回答してくれていた。
環境省はUNSCEAR2020/2021報告書をサイエンスという。彼らの知見・能力はこの程度。今まで環境省の参事官補佐とTELで話していたことから、予想はしていたものの、彼等の無知さに呆れるばかり。
環境省の結論はUNSCEAR2020/2021報告書と福島県の県民健康調査検討委員会(甲状腺評価部会の結論)の結論に依拠している。このいずれも甲状腺評価部会長の鈴木元氏が強く関与している。彼の間違った結論を誘導した責任は重大。
『鈴木元氏への公開質問』は以下ご覧ください。
(その1):https://yuyujinsei2.seesaa.net/article/2025-01-11.html
(その2):https://yuyujinsei2.seesaa.net/archives/20250210-1.html
その解答内容が以下(環境省の回答内容は彼らが言うサイエンスとは程遠い、呆れるばかり・・)
2.子ども甲状腺がんに関する要望事項
N:1961年に原子力損害賠償法ができ、被害者に対する適切な保護と賠償が盛り込まれた。それに加えて健康被害が起きた場合には事故との因果関係ありと推定するべきで、被害者が事故原因を立証する責任はないとされている。現在の福島はこの原子力損害賠償法成立当時の理念とはかけ離れている。先ほどUNSCEARの話が出たが、UNSCEAR の報告に基づいた施策に異議を唱える人が多い。裁判の中でもUNSCEARの欺瞞性は非常に鋭く追求されている。今の福島は安全だ、放射能はたいしたことないと、UNSCEAR、IAEA、ICRPを利用して、国がミスリードしているのではないか。
環境省:サイエンスの世界では、2021年3月のUNSCEARの報告書の中で、被ばくによる健康影響は見られないと結論づけている。それはサイエンスです。我々はそれを尊重する立場だ。
T:ちょっと違う。UNSCEARは130箇所も間違いがある。
K:(環境省から事前の文書回答をいただいていないので)、まず、 (2)の全ての質問に対して回答をいただきたい。
環境省:①から⑥について合わせて回答したい。環境省の立場としては、サイエンスの世界では健康影響は見られない。ご要望の①から⑥については、福島県が県民健康調査の一環として実施している甲状腺検査について、県民健康調査検討委員会において専門的見地から議論されており、福島県において適切に調査を実施するものと認識している。⑦については福島周辺の県が過去に開催した専門家有識者会議において、科学的には特段の健康管理は必要ないとの見解がとりまとめられたと承知している。⑨については、福島県の県民健康調査の基本調査において、福島第一原発事故の後、空間線量がとても高かった時期、事故後すぐ4ヶ月間における放射線による外部被ばくの線量の推計をしており、放射線による健康影響があると考えにくいと評価されているものと承知している。
N: 福島県に丸投げですね。甲状腺検査の受診率はどんどん下がっており、令和6年で20%に下がっている。最初は81%くらいあった。特に5年間の検査間隔のある20歳以上で、大変な重症の甲状腺がん患者が見つかっていても、受診率が8%、5%だ。国としては本当にそのまま福島県がやってるからそれでいいという考えなのか。
K:サイエンスの前提を確認したい。福島で発見されている小児甲状腺がん、これ、悪性度が高いB-raf変異が半数以上、鈴木眞一先生は69%と認められると論文に書いている。これは予後がいいとはいえない事態だと思うが、小児甲状腺がんは予後がいいみたいな話が結構出回っている。B-rafという変異が多数あり、予後がいいとは言えないことについて、環境省としてはもちろんそれは分かっているという前提でよいか。
環境省: こちらの甲状腺がんに見られる遺伝子変異について、UNSCEARの報告書の中で、全体と比べて甲状腺がん一般に見られる変異に比べて、福島で特段変なことが起こっていることはないと評価されているものと承知している。
K: そうではなく、B-raf変異ということで、大人の甲状腺がんについては、予後がいいと言われてますよね。それと比べて福島で起きている小児甲状腺がんは違う特徴が見られる。環境省として理解し、現実を認識しているのか。これは鈴木眞一先生も論文として出していると思うが、そういったデータは見ているか、環境省内で把握されているか。
環境省: こちら持ちかえらせていただけますでしょうか。すいません、申し訳ないです。
KM:サイエンスのことですが、2021年のUNSCEARと先ほど言ってたが、サイエンスの世界では昨日発表されてなかったものが今日学会で発表されれば、それがサイエンス、生物学の世界は本当に日進月歩だ。
環境省:UNSCEARの最新版は2021年。
KM:それでは逆にINWORKSとか、その後たくさんの報告論文が出ているが、そちらに関して環境省は把握されているか。
環境省:世の中にはあまたの論文がある。
KM:INWORKSはちょっと重さが違うのできいている。
K:WHOの関連組織のIARCが出している。それについて環境省は根拠がないと考えるのか。
環境省:あまたある1つ1つの論文について論評する立場にはない。
N:では、なぜUNSCEARなのか。
環境省:UNSCEARは国連の科学委員会であり、193カ国加盟している国連で出している報告書について我々尊重している立場にある。UNSCEARは、それまで出ていた様々な科学的な知見を集約して、科学者の方々が委員になり、中立的な立場から評価して出てきた、ある種コンセンサスがある程度得られているものだと承知している。INWORKSのように、1つ1つの論文について、重要だとか、取るに足らないとか、環境省としては評価する立場にない。
T:既に397名の甲状腺がんの子供達がいるという実態、これは認めますよね。だとすれば、この子供達がなぜ甲状腺がんになったのか、原因について環境省はどう考えるか。皆さん過剰診断だと言うが、過剰診断の論文、根拠を誰も示してない。
K:不利益を被る、実際に小児甲状腺がんになった人達が出てくるのは当然のように考えられるが、それに対する責任はどの省庁が持つのか。
環境省:福島県の甲状腺検査を通じて、要精査、がんと診断される方もいるのは承知している。環境省としては、これまで通り、県が実施する県民健康調査の支援、放射線の健康管理、健康不安対策などを実施していく。
F:UNSCEARの話に関連して、INWORKSの検討をしていただきたい。2の(2)の⑧ヨウ素剤について、内閣府から回答をいただきたい。
内閣府:内閣府原子力防災担当です。安定ヨウ素剤は、緊急時に住民が必要なタイミングで服用できるように、地方自治体で原発5km圏内の住民に事前配布、30km圏内の住民にも緊急配布できるように体制を整備している。備蓄は100万人分あり、現地に輸送する。
T:原子力規制庁と内閣府の責任分担が明確でない。備蓄があるのはいいが、輸送が必要な時間内に間に合うのか。また、自治体がある程度保管し、住民に事前配布しているが、飲みなさいという指示を誰がどういう基準で出すのか明確でない。
内閣府: 原子力災害対策指針に定めがあり、原子力規制委員会が判断をした上で必要なタイミングで国が要請指示を出す。
T: 必要なタイミングの定量的な数値がない限り誰も判断できない。誰も責任持って指示できない。
内閣府:判断については原子力規制委員会が行う形になっており、内閣府からは回答ができない。
環境省はUNSCEAR2020/2021報告書をサイエンスという。彼らの知見・能力はこの程度。今まで環境省の参事官補佐とTELで話していたことから、予想はしていたものの、彼等の無知さに呆れるばかり。
環境省の結論はUNSCEAR2020/2021報告書と福島県の県民健康調査検討委員会(甲状腺評価部会の結論)の結論に依拠している。このいずれも甲状腺評価部会長の鈴木元氏が強く関与している。彼の間違った結論を誘導した責任は重大。
『鈴木元氏への公開質問』は以下ご覧ください。
(その1):https://yuyujinsei2.seesaa.net/article/2025-01-11.html
(その2):https://yuyujinsei2.seesaa.net/archives/20250210-1.html
その解答内容が以下(環境省の回答内容は彼らが言うサイエンスとは程遠い、呆れるばかり・・)
2.子ども甲状腺がんに関する要望事項
N:1961年に原子力損害賠償法ができ、被害者に対する適切な保護と賠償が盛り込まれた。それに加えて健康被害が起きた場合には事故との因果関係ありと推定するべきで、被害者が事故原因を立証する責任はないとされている。現在の福島はこの原子力損害賠償法成立当時の理念とはかけ離れている。先ほどUNSCEARの話が出たが、UNSCEAR の報告に基づいた施策に異議を唱える人が多い。裁判の中でもUNSCEARの欺瞞性は非常に鋭く追求されている。今の福島は安全だ、放射能はたいしたことないと、UNSCEAR、IAEA、ICRPを利用して、国がミスリードしているのではないか。
環境省:サイエンスの世界では、2021年3月のUNSCEARの報告書の中で、被ばくによる健康影響は見られないと結論づけている。それはサイエンスです。我々はそれを尊重する立場だ。
T:ちょっと違う。UNSCEARは130箇所も間違いがある。
K:(環境省から事前の文書回答をいただいていないので)、まず、 (2)の全ての質問に対して回答をいただきたい。
環境省:①から⑥について合わせて回答したい。環境省の立場としては、サイエンスの世界では健康影響は見られない。ご要望の①から⑥については、福島県が県民健康調査の一環として実施している甲状腺検査について、県民健康調査検討委員会において専門的見地から議論されており、福島県において適切に調査を実施するものと認識している。⑦については福島周辺の県が過去に開催した専門家有識者会議において、科学的には特段の健康管理は必要ないとの見解がとりまとめられたと承知している。⑨については、福島県の県民健康調査の基本調査において、福島第一原発事故の後、空間線量がとても高かった時期、事故後すぐ4ヶ月間における放射線による外部被ばくの線量の推計をしており、放射線による健康影響があると考えにくいと評価されているものと承知している。
N: 福島県に丸投げですね。甲状腺検査の受診率はどんどん下がっており、令和6年で20%に下がっている。最初は81%くらいあった。特に5年間の検査間隔のある20歳以上で、大変な重症の甲状腺がん患者が見つかっていても、受診率が8%、5%だ。国としては本当にそのまま福島県がやってるからそれでいいという考えなのか。
K:サイエンスの前提を確認したい。福島で発見されている小児甲状腺がん、これ、悪性度が高いB-raf変異が半数以上、鈴木眞一先生は69%と認められると論文に書いている。これは予後がいいとはいえない事態だと思うが、小児甲状腺がんは予後がいいみたいな話が結構出回っている。B-rafという変異が多数あり、予後がいいとは言えないことについて、環境省としてはもちろんそれは分かっているという前提でよいか。
環境省: こちらの甲状腺がんに見られる遺伝子変異について、UNSCEARの報告書の中で、全体と比べて甲状腺がん一般に見られる変異に比べて、福島で特段変なことが起こっていることはないと評価されているものと承知している。
K: そうではなく、B-raf変異ということで、大人の甲状腺がんについては、予後がいいと言われてますよね。それと比べて福島で起きている小児甲状腺がんは違う特徴が見られる。環境省として理解し、現実を認識しているのか。これは鈴木眞一先生も論文として出していると思うが、そういったデータは見ているか、環境省内で把握されているか。
環境省: こちら持ちかえらせていただけますでしょうか。すいません、申し訳ないです。
KM:サイエンスのことですが、2021年のUNSCEARと先ほど言ってたが、サイエンスの世界では昨日発表されてなかったものが今日学会で発表されれば、それがサイエンス、生物学の世界は本当に日進月歩だ。
環境省:UNSCEARの最新版は2021年。
KM:それでは逆にINWORKSとか、その後たくさんの報告論文が出ているが、そちらに関して環境省は把握されているか。
環境省:世の中にはあまたの論文がある。
KM:INWORKSはちょっと重さが違うのできいている。
K:WHOの関連組織のIARCが出している。それについて環境省は根拠がないと考えるのか。
環境省:あまたある1つ1つの論文について論評する立場にはない。
N:では、なぜUNSCEARなのか。
環境省:UNSCEARは国連の科学委員会であり、193カ国加盟している国連で出している報告書について我々尊重している立場にある。UNSCEARは、それまで出ていた様々な科学的な知見を集約して、科学者の方々が委員になり、中立的な立場から評価して出てきた、ある種コンセンサスがある程度得られているものだと承知している。INWORKSのように、1つ1つの論文について、重要だとか、取るに足らないとか、環境省としては評価する立場にない。
T:既に397名の甲状腺がんの子供達がいるという実態、これは認めますよね。だとすれば、この子供達がなぜ甲状腺がんになったのか、原因について環境省はどう考えるか。皆さん過剰診断だと言うが、過剰診断の論文、根拠を誰も示してない。
K:不利益を被る、実際に小児甲状腺がんになった人達が出てくるのは当然のように考えられるが、それに対する責任はどの省庁が持つのか。
環境省:福島県の甲状腺検査を通じて、要精査、がんと診断される方もいるのは承知している。環境省としては、これまで通り、県が実施する県民健康調査の支援、放射線の健康管理、健康不安対策などを実施していく。
F:UNSCEARの話に関連して、INWORKSの検討をしていただきたい。2の(2)の⑧ヨウ素剤について、内閣府から回答をいただきたい。
内閣府:内閣府原子力防災担当です。安定ヨウ素剤は、緊急時に住民が必要なタイミングで服用できるように、地方自治体で原発5km圏内の住民に事前配布、30km圏内の住民にも緊急配布できるように体制を整備している。備蓄は100万人分あり、現地に輸送する。
T:原子力規制庁と内閣府の責任分担が明確でない。備蓄があるのはいいが、輸送が必要な時間内に間に合うのか。また、自治体がある程度保管し、住民に事前配布しているが、飲みなさいという指示を誰がどういう基準で出すのか明確でない。
内閣府: 原子力災害対策指針に定めがあり、原子力規制委員会が判断をした上で必要なタイミングで国が要請指示を出す。
T: 必要なタイミングの定量的な数値がない限り誰も判断できない。誰も責任持って指示できない。
内閣府:判断については原子力規制委員会が行う形になっており、内閣府からは回答ができない。
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