「安定ヨウ素剤配布と服用」に関する規制庁からの呆れる回答
原発事故時の「ヨウ素剤配布と服用」に関する原子力規制委員会の規定について、問題点や疑問について問い合わせていたところ、ようやく回答が届いた。
質問は以下をご覧ください。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2024-08-20
しかしながら、具体的な回答を求めていたにも関わらず、具体的な回答を避け(回答できない!?)、原子力規制庁の杜撰さと真剣さの無さが暴露されたと言っていい。
『安定ヨウ素剤の服用は、避難又は一時移転と併せた防護措置として、原子力規制委員会が、原子力施設の状況、緊急時モニタリング結果等を勘案して判断することとしております。』『事前に数値基準等の判断根拠を示すことは困難と考えます』といった回答には呆れる。
規制庁にヨウ素剤配布の迅速な判断はできそうになく、自治体ごとにプルームの状況(風向き等)が異なる事から、規制庁が自治体ごとに摂取するタイミング等を伝達する事は不可能だ。規制庁の判断を待っていれば、甲状腺がんを避ける事は困難だ。
安定ヨウ素剤は自分で調達・保管し、家族や自分の健康を守る為には、避難するか屋内退避するかを含め、安定ヨウ素剤を摂取するかどうかの判断は自分でするしかない。それなりの予備知識を日頃から得ておく必要がある。
原子力規制庁としての具体的責任を回避し、最後は『住民の避難場所や避難経路の確保のために、どのように備え、対応するかは、地方自治体が策定する地域防災計画の中で、各地域の実情に応じて、具体化されるものと承知しています。』と、すべての責任を地元自治体に押し付けている。
以下が原子力規制庁からの回答
【質問】
1.原子力規制委員会はその必要性(プルームの方向・風向きや全体量・線量、滞留時間等)はどのような手段で判断しますか?
2.原子力規制庁はその必要性を判断する線量値(甲状腺等価線量)は、いくらを想定していますか?それはプルームが流れ出た、いつの時点での判断ですか?
3.プルームの長期滞留や今後(将来)の放出量はどのような手段で判断しますか?
8.適時服用(ヨウ素摂取24時間前から6時間後)指示は線量、風向き等で自治体ごとに異なります。(三春町が成功事例)緊急時には三春町のような地方自治体の独自判断に任せる必要があります。規制庁としてはどのように自治体に伝えていますか?
【規制庁の回答】
安定ヨウ素剤の服用は、避難又は一時移転と併せた防護措置として、原子力規制委員会が、原子力施設の状況、緊急時モニタリング結果等を勘案して判断することとしております。
これは、事故の進展等は一様ではなく、その都度の状況に応じて服用の判断をするためであるので、事前に数値基準等の判断根拠を示すことは困難と考えます。
また、安定ヨウ素剤の服用の指示については、原子力災害対策本部より自治体へ伝えることとなります。
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【質問】
4.原子力災害対策本部又は地方公共団体は服用の指示を出すとありますが、その通信手段は何ですか?その情報授受の確認をどのような手段で実施しますか?(福島原発事故時には原子力委員会はFAXが送った、現地原子力対策本部や福島県はFAXが届かなかったと責任回避しています。)
【規制庁の回答】
防災基本計画において、「原子力災害対策本部は、関係地方公共団体及び住民に対して、必要に応じ、衛星電話、インターネットメール等多様な通信手段を用いて、原子力災害対策本部の指示等を確実に伝達するものとする。」と示されており、原子力災害対策本部から地方公共団体への伝達は、情報を集約し、広範囲の原子力防災関係者が迅速・正確に一元的な情報共有が可能となるシステム等を使用します。
防災基本計画 第12編第2章第1節4 11ポツ目
R6基本計画 (bousai.go.jp)
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【質問】
5.プルームが1~2時間以上放出された場合には、屋内退避効果がない事が名古屋大教授のシミュレーションで明らかになっています。プルームが立ち去った場合には屋内にはプルームが残り、逆に屋内退避住民の方が内部被ばくをし続けるからです。屋内退避効果があるとする科学的根拠を教えてください。
【規制庁の回答】
屋内退避の有効性については、原子力災害時の屋内退避の運用に関する検討チーム第1回会合資料2をご参照ください。
[N-ADRES]第1回原子力災害時の屋内退避の運用に関する検討チーム 令和6年04月22日 (nra.go.jp)
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【質問】
6.また津波や家屋倒壊、道路寸断、通信網・連絡網の遮断されている中で、住民にはどう安定ヨウ素剤を届けるのかの具体的議論がありません。議論の条件・過程・結論を教えてください。
7.特に以下のような問題もありますが、この件に関する規制庁の考え方や議論内容を教えてください。
1)5キロ圏:事前配布とされるが、家屋倒壊、津波から避難しながらの服用は不可能です。2)30キロ圏:自治体の備蓄を職員が避難途中の住民に拠点配布するのは道路寸断で不可能です。
【規制庁からの回答】
原子力規制委員会が定める原子力災害対策指針では、住民等の被ばく線量を合理的に達成できる限り低くすると同時に、被ばくを直接の要因としない健康等への影響も抑えることが必要である、といった基本的な考え方を示しています。
各地域の「緊急時対応」においては、家屋倒壊等が発生する場合、この考え方に沿って、自然災害に対する避難行動を最優先で行い、地方公共団体が開設する近隣の指定避難所で屋内退避することとされているなど、複合災害時の基本的な対応は既に示されているものと承知しています。
なお、このような自然災害によって生じる家屋倒壊等の状況に対し、住民の避難場所や避難経路の確保のために、どのように備え、対応するかは、地方自治体が策定する地域防災計画の中で、各地域の実情に応じて、具体化されるものと承知しています。
以上、よろしくお願いいたします。
原子力規制庁 総務課 広報室
質問は以下をご覧ください。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2024-08-20
しかしながら、具体的な回答を求めていたにも関わらず、具体的な回答を避け(回答できない!?)、原子力規制庁の杜撰さと真剣さの無さが暴露されたと言っていい。
『安定ヨウ素剤の服用は、避難又は一時移転と併せた防護措置として、原子力規制委員会が、原子力施設の状況、緊急時モニタリング結果等を勘案して判断することとしております。』『事前に数値基準等の判断根拠を示すことは困難と考えます』といった回答には呆れる。
規制庁にヨウ素剤配布の迅速な判断はできそうになく、自治体ごとにプルームの状況(風向き等)が異なる事から、規制庁が自治体ごとに摂取するタイミング等を伝達する事は不可能だ。規制庁の判断を待っていれば、甲状腺がんを避ける事は困難だ。
安定ヨウ素剤は自分で調達・保管し、家族や自分の健康を守る為には、避難するか屋内退避するかを含め、安定ヨウ素剤を摂取するかどうかの判断は自分でするしかない。それなりの予備知識を日頃から得ておく必要がある。
原子力規制庁としての具体的責任を回避し、最後は『住民の避難場所や避難経路の確保のために、どのように備え、対応するかは、地方自治体が策定する地域防災計画の中で、各地域の実情に応じて、具体化されるものと承知しています。』と、すべての責任を地元自治体に押し付けている。
以下が原子力規制庁からの回答
【質問】
1.原子力規制委員会はその必要性(プルームの方向・風向きや全体量・線量、滞留時間等)はどのような手段で判断しますか?
2.原子力規制庁はその必要性を判断する線量値(甲状腺等価線量)は、いくらを想定していますか?それはプルームが流れ出た、いつの時点での判断ですか?
3.プルームの長期滞留や今後(将来)の放出量はどのような手段で判断しますか?
8.適時服用(ヨウ素摂取24時間前から6時間後)指示は線量、風向き等で自治体ごとに異なります。(三春町が成功事例)緊急時には三春町のような地方自治体の独自判断に任せる必要があります。規制庁としてはどのように自治体に伝えていますか?
【規制庁の回答】
安定ヨウ素剤の服用は、避難又は一時移転と併せた防護措置として、原子力規制委員会が、原子力施設の状況、緊急時モニタリング結果等を勘案して判断することとしております。
これは、事故の進展等は一様ではなく、その都度の状況に応じて服用の判断をするためであるので、事前に数値基準等の判断根拠を示すことは困難と考えます。
また、安定ヨウ素剤の服用の指示については、原子力災害対策本部より自治体へ伝えることとなります。
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【質問】
4.原子力災害対策本部又は地方公共団体は服用の指示を出すとありますが、その通信手段は何ですか?その情報授受の確認をどのような手段で実施しますか?(福島原発事故時には原子力委員会はFAXが送った、現地原子力対策本部や福島県はFAXが届かなかったと責任回避しています。)
【規制庁の回答】
防災基本計画において、「原子力災害対策本部は、関係地方公共団体及び住民に対して、必要に応じ、衛星電話、インターネットメール等多様な通信手段を用いて、原子力災害対策本部の指示等を確実に伝達するものとする。」と示されており、原子力災害対策本部から地方公共団体への伝達は、情報を集約し、広範囲の原子力防災関係者が迅速・正確に一元的な情報共有が可能となるシステム等を使用します。
防災基本計画 第12編第2章第1節4 11ポツ目
R6基本計画 (bousai.go.jp)
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【質問】
5.プルームが1~2時間以上放出された場合には、屋内退避効果がない事が名古屋大教授のシミュレーションで明らかになっています。プルームが立ち去った場合には屋内にはプルームが残り、逆に屋内退避住民の方が内部被ばくをし続けるからです。屋内退避効果があるとする科学的根拠を教えてください。
【規制庁の回答】
屋内退避の有効性については、原子力災害時の屋内退避の運用に関する検討チーム第1回会合資料2をご参照ください。
[N-ADRES]第1回原子力災害時の屋内退避の運用に関する検討チーム 令和6年04月22日 (nra.go.jp)
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【質問】
6.また津波や家屋倒壊、道路寸断、通信網・連絡網の遮断されている中で、住民にはどう安定ヨウ素剤を届けるのかの具体的議論がありません。議論の条件・過程・結論を教えてください。
7.特に以下のような問題もありますが、この件に関する規制庁の考え方や議論内容を教えてください。
1)5キロ圏:事前配布とされるが、家屋倒壊、津波から避難しながらの服用は不可能です。2)30キロ圏:自治体の備蓄を職員が避難途中の住民に拠点配布するのは道路寸断で不可能です。
【規制庁からの回答】
原子力規制委員会が定める原子力災害対策指針では、住民等の被ばく線量を合理的に達成できる限り低くすると同時に、被ばくを直接の要因としない健康等への影響も抑えることが必要である、といった基本的な考え方を示しています。
各地域の「緊急時対応」においては、家屋倒壊等が発生する場合、この考え方に沿って、自然災害に対する避難行動を最優先で行い、地方公共団体が開設する近隣の指定避難所で屋内退避することとされているなど、複合災害時の基本的な対応は既に示されているものと承知しています。
なお、このような自然災害によって生じる家屋倒壊等の状況に対し、住民の避難場所や避難経路の確保のために、どのように備え、対応するかは、地方自治体が策定する地域防災計画の中で、各地域の実情に応じて、具体化されるものと承知しています。
以上、よろしくお願いいたします。
原子力規制庁 総務課 広報室
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