規制庁からの再回答は再び頓珍漢

原子力規制庁に原子炉建屋間の距離や原子炉建屋周辺の広さについて再質問していたところ、以下の回答が届いた。

『保安規定等で必要な項目を規定する方針であることを確認する』との日本語は何を言っているのか理解できない。更に保安規定は事業者が作成するものとすれば、『方針』である事を確認するだけで良いのか?『必要な項目』とは何なのか?保安規定内容が分からなければ、具体的に規制庁が何を規制し何を検証・確認しているのかが分からない。

『必要な検討』とか『必要な手順』とは具体的にどのような事を指しているのか?一切分からない?一言で言えば、やはり事業者任せになっている。

複数号機の同時被災の対応については「手順書の整備、訓練の実施及び体制の整備」に定めているとの回答だが、どう定めているのかを質問しているのに回答になっていない。


・・・以下が原子力規制庁からの再回答・・・

※再質問内容はこの記事の後半部分か以下の記事をご覧ください。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2024-08-10

【再質問1】【再質問2】

(規制庁回答)重大事故等が発生した場合などにおいてこれに対処するために必要な体制の整備に関しては、保安規定等において必要な項目が規定される方針であること要求しており、審査基準として、「実用発電用原子炉に係る発電用原子炉設置者の重大事故の発生及び拡大の防止に必要な措置を実施するために必要な技術的能力に係る審査基準」(原規技発第1306197号(平成25年6月19日原子力規制委員会決定)、以下「重大事故等防止技術的能力基準」という。)
https://www.nra.go.jp/data/000187187.pdf
を定めています。(但し、このページは見当たらない!)

 審査においては、事業者の計画が重大事故等防止技術的能力基準とその解釈を踏まえ必要な検討を加えた上で策定されており、重大事故等に対処するために必要な手順等に関し、設備の運用手順等も含め、手順等を保安規定等で規定する方針であることを確認することとしています。

 なお、お尋ねにありました、複数号機の同時被災の対応については、重大事故等防止技術的能力基準の「1.重大事故等対策における要求事項の解釈 1.0 共通事項 (4)手順書の整備、訓練の実施及び体制の整備」に定めています。

⇒【再回答(上記回答)に対する、再々質問・疑問】

1.「規制庁としての最低限ガイドラインや規準書はないのでしょうか」との再質問には直接答えていない。規制庁としての最低限のガイドラインや規準書は無く、規定は事業者任せであり、その事業者作成の規定にそって確認??していると理解。まさに事業者まかせ!

2.「ガイドラインも規準書(基準書)の無いとすれば、何にももとづいて確認、連携、検査をしているのでしょうか?」の質問にも直接答えていない。事業者が作成した保安規定をもとの「確認」しているとの回答。これは旧来の安全保安院と同じ姿勢ではないか。何ら規制庁としての責任は感じられない。

3.『保安規定等で必要な項目を規定する方針であることを確認する』との日本語は何を言っているのか理解できない。更に保安規定は事業者が作成するものとすれば、『方針』である事を確認するだけで良いのか?『必要な項目』とは何なのか?保安規定内容が分からなければ、具体的に規制庁が何を規制し何を検証・確認しているのかが分からない。

4.『必要な検討』とか『必要な手順』とは具体的にどのような事を指しているのか?一切分からない?一言で言えば、やはり事業者任せになっているのではないか?

5.複数号機の同時被災の対応については「手順書の整備、訓練の実施及び体制の整備」に定めているとの回答だが、どう定めているのかを質問しているのに回答になっていない。

【再質問3】

(規制庁回答)お尋ねにありました「原子炉建屋周辺の敷地の広さの関する規準(基準)」については、重大事故等防止技術的能力基準においては、「1.重大事故等対策における要求事項 1.0 共通事項 (1)重大事故等対処設備に係る要求事項、(2)復旧作業に係る要求事項」の中で、アクセスルートの確保として、想定される重大事故等が発生した場合において、電源車やポンプ車のような可搬型重大事故等対処設備を運搬し、又は他の設備の被害状況を把握するため、また、設備の復旧作業を行うため、原子力発電所内の道路及び通路が確保できるよう、実効性のある運用管理を行う方針であることを要求しており、審査や検査を通じてこれを確認しています。

⇒再回答(上記回答)に対する、再々質問・疑問
「実効性のある運用管理を行う方針である事」とあるが、定量的・定性的にも具体性に欠けている。原子力規制庁としての考えや定量的・定性的な規定がなく、事業者まかせであり、その実効性をどう検証するのかも不明。


【再質問4】
4-1:『通常運転時』の定義を教えてください。

(規制庁回答)実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(平成25年原子力規制委員会規則第5号。以下「設置許可基準規則」という。)第2条第2項第2号において、以下のとおり定義しています。

 「通常運転」とは、設計基準対象施設において計画的に行われる発電用原子炉の起動、停止、出力運転、高温待機、燃料体の取替えその他の発電用原子炉の計画的に行われる運転に必要な活動をいう。

4-2:年間1mSvとは追加被ばく(外部被ばく)でしょうか?内部被ばくに関する規定はないのでしょうか?

(規制庁回答) 年間1mSvは、通常運転時に敷地周辺で受ける外部被ばく及び内部被ばくによる追加の実効線量の合算値の限度となります。この限度に関する規定は、「核原料物質又は核燃料物質の製錬の事業に関する規則等の規定に基づく線量限度等を定める告示」に定めています。

⇒再回答(上記回答)に対する、再々質問・疑問
内部被ばくはどのように測定あるいは計算していますか?

4-3:年間1msVは周辺監視区域外となっています。構内の線量規定や作業者に対する線量規定はいくらでしょうか?

(規制庁回答)「核原料物質又は核燃料物質の製錬の事業に関する規則等の規定に基づく線量限度等を定める告示」において、管理区域内で作業する放射線業務従事者における実効線量の限度は、5年間で100mSv、1年間で50mSv、緊急時に100mSv、同規定に定める事象の発生時に250mSvとしています。

【参考】
「核原料物質又は核燃料物質の製錬の事業に関する規則等の規定に基づく線量限度等を定める告示」については下記のURLをご覧下さい。
https://www.nra.go.jp/data/000308625.pdf

4-4:その遵守に関する監査はどのようにしていますか?その頻度やプロセスを教えてください。

(規制庁回答)設置許可基準規則第2章において、設計基準事故に対処するための安全機能を有する設計基準事故対処設備を要求しています。事業者は、これらの設計基準事故対処設備が規則要求を満足するように機能することを使用前事業者検査や定期事業者検査等により確認しており、原子力規制庁はこの事業者の活動状況を原子力規制検査により監視しています。

【参考】
原子力規制検査の検査頻度、検査手順等については下記のURLの原子力規制検査ガイドをご覧下さい。
https://www2.nra.go.jp/activity/regulation/kiseikensa/guide_index.html
※このガイドラン見るだけでも大変(汗!)

4-5:『設計基準事故』とはどういう事故を指しているのですか?定義を教えてください。

(規制庁回答)設置許可基準規則第2条第2項第4号において、以下のとおり定義しています。

 「設計基準事故」とは、発生頻度が運転時の異常な過渡変化より低い異常な状態であって、当該状態が発生した場合には発電用原子炉施設から多量の放射性物質が放出するおそれがあるものとして安全設計上想定すべきものをいう。

4-6:『周辺の公衆に著しい放射線被ばくのリスクを与えないこと』とありますが、著しい放射線被ばくとは具体的数値で示してください。

(規制庁回答)発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針(平成2年8月30日原子力安全委員会決定)の解説において、「周辺公衆の実効線量の評価値が発生事故当たり5mSvを超えなければ、「リスク」は小さいと判断する。」としています。

以上、よろしくお願いいたします。



  ーーー   ーーー

再質問は以下

原子力規制庁御中

以下のご回答ありがとうございます。
残念ながら、あまりにも杜撰で、頓珍漢な回答と言わざるを得ません。そこで以下再質問いたします。(★印部)1週間を目途にご回答頂きたくお願いいたします。

詳細は以下のブログに纏めましたので、御覧ください。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2024-08-09

東南海地震も切迫した状況です。

『地震は止められないが、原発は止められる!』
地震に怯えるのか?原発にも怯えるのか?

『原発止めて(廃炉にして)、リスクに怯える事のない安心した生活を取り戻してください!』
それが規制庁の責務であり、ミッションです。すべての原発の一時停止と廃炉を求めます。

  ーーーー以下が規制庁から一時回答ーーーー

頂いた質問につきまして下記の通り回答いたします。

1,2,4,5について

原子炉を設置するに当たってその離隔距離についての定めはありません。

新規制基準においては、原子力発電所内で複数号機の同時被災等を想定し、全原子炉で同時に重大事故が発生した場合においても対応できる手順、体制を整備する方針であることを要求しており、審査においては、こうした事態においてもそれぞれの原子炉で独立して重大事故等の対応ができること、必要に応じて連携を行い、柔軟な事故対応を行えることを確認するとともに、検査においても事業者の訓練状況を確認しています。

【再質問1】:
『全原子炉で同時に重大事故が発生した場合においても対応できる手順、体制を整備する方針であることを要求』とありますが、規制庁としての最低限ガイドラインや規準書はないのでしょうか?あるとすればそのガイドラインなり規準書(基準書)を開示ください。それとも事業者まかせという事でしょうか?

【再質問2】:
『審査においては、こうした事態においてもそれぞれの原子炉で独立して重大事故等の対応ができること、必要に応じて連携を行い、柔軟な事故対応を行えることを確認するとともに、検査においても事業者の訓練状況を確認しています。』との事ですが、ガイドラインも規準書(基準書)の無いとすれば、何にももとづいて確認、連携、検査をしているのでしょうか?詳細を教えてください。

3について

原子力発電所の敷地広さについての定めはありません。

なお、原子力発電所の敷地境界については、通常運転時において、周辺監視区域外における線量限度(1年間当たり1ミリシーベルト)を十分下回る水準となるよう施設を設計すること、設計基準事故時において、周辺の公衆に対し、著しい放射線被ばくのリスクを与えないこと、等の要件から決まっています。

【再質問3】:
原子力発電所に敷地の広さを聞いたわけではなく、原子炉建屋周辺の敷地の広さの基準を確認したものです。福島第一原子力発電所の場合、原子炉建屋の敷地は周辺の敷地よりも低く、隔離されている。事故収拾時に外部電源車や消防車等の緊急車両が混乱なく活動できるスペースが必要なはず。原子炉建屋周辺の敷地の広さの関する規準(基準)を聞いているのです。

東北電力の女川原発の場合、一号機は廃炉、隣接した2号機は再稼働の為の準備で、原子炉建屋周辺のスペースが十分とは言えず、もしも2号機に事故が起きた場合、緊急車両が入る事ができない可能性もある。

【再質問4】:
『設計基準事故時において、周辺の公衆に対し、著しい放射線被ばくのリスクを与えないこと、等の要件から決まっています。』とあります。

以下再質問します。

4-1:『通常運転時』の定義を教えてください。

4-2:年間1mSvとは追加被ばく(外部被ばく)でしょうか?内部被ばくに関する規定はないのでしょうか?

4-3:年間1msVは周辺監視区域外となっています。構内の線量規定や作業者に対する線量規定はいくらでしょうか?

4-4:その遵守に関する監査はどのようにしていますか?その頻度やプロセスを教えてください。

4-5:『設計基準事故』とはどういう事故を指しているのですか?定義を教えてください。

4-6:『周辺の公衆に著しい放射線被ばくのリスクを与えないこと』とありますが、著しい放射線被ばくとは具体的数値で示してください。
※定性的な表現では、監査のしようがありません。規制庁の杜撰さ、規制庁が事業者や経産省の虜になっている事は明らかです。


     ーー以下再質問ーーー

【フォーム受付】原子力規制委員会への御質問・御意見<原子力規制委員会への御質問

【分野】 原子力規制委員会への御質問

【件名】原子炉建屋間の距離に関する基準・規定について

【内容】以下の問題は原発の再稼働や新増設について重要な検討課題です。原発事故前の事故が起きないとする前提条件は崩れ、事故が起きる前提での基準や規制の見直しは必須です。

第一原発の第1号機から第4号機を見た率直な感想は、それぞれの原子炉建屋の距離が近すぎる。更に敷地が狭すぎるという事。

一つの原子炉が事故を起こせば、連鎖的に次ぎ次と事故を起こし可能性が大きく、更に敷地が狭い為に救援が難しい。その事は今回の原発事故でその事を実証した。

爆発した4つの原子炉建屋は無残!未だに、見学場所でさえも60μSv/hもある事にも驚く。1、2か月前には90μSv/hもあったとの情報もある。

基本的設計(特に事故対応の)が杜撰過ぎる。まさに人災!原子力に携わる研究者や専門家、事業者は反省すべきだが、未だに反省も無く、原子力推進に舵を切る。

全国の原発がこのような配置なら、一つの原子炉が一旦事故が起きれば、他の原子炉に近寄れなくなり、収拾がつかなくなるという事。原子炉建屋の配置に関する基準や規制があるべき。規制庁は再稼働の条件として、どのような議論をしているのでしょうか?

そこで質問です。福島第一原発事故以降は事故発生を前提として規制の在り方に変わっているはずです。

1.原子炉建屋間の距離についての基準(規定)はありますか?

2.既に一つの原子炉が稼働していた場合、周辺の原子炉を再稼働する場合の2つの原子炉の距離に関し、どのような基準(規定)を設けていますか?

3.原子炉建屋周辺の敷地の広さに関する基準(規定)はありますか?事故時の対応にどのような車が設備が必要と考えていますか?

4.一つの原発敷地に原子炉が一つにすべきと思いますが、規制庁とし事故を前提に如何お考えですか?理由も含めて見解をお聞かせください。

5.それぞれの原発敷地間の距離も例えば100km又は150kmと離すといった規定が必要と思いますが、本件に関する規制庁の考え方(理由も含め)お答えください。原発事故前の事故が起きないとする前提条件は崩れています。


詳細は以下のブログをご覧ください。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2024-07-28-1





この記事へのコメント