原子力災害伝承館への改善要請

先日2日間の『原発震災遺構を巡る旅』の中で訪問した原子力災害伝承館の展示内容に関する問題点や改善すべき点について、館長及び部長にメールで依頼した。その内容を掲載する。
  

原子力災害伝承館企画部長
 ×× ××さま
 cc高村館長  (注:高村氏は公人であるため実名を記載します。)

先日はお付き合いいただきありがとうございます。
10月25日に伝承館を訪問し、意見交換させていただきました××です。

伝承館を見学した印象や改善依頼については当日述べさせていただきましたが、伝承館の役割は復興の姿を後世に伝えるものではありません。
伝承館の役割は原発事故を科学的に検証し、反省や問題点を後世に伝え、同じ過ちを繰り返さないように政府や東電、そして福島県にとって不都合な真実をありのままに後世に伝える事です。

現在展示されている内容は一言で言うなら『間違ってはいないが正しくはない』という事です。
広島市平和記念資料館の理念をもっと参考に取り入れるべきです。

伝承館の役割は原発事故に関して、以下の事象についての科学的検証結果を後世に伝える事です。
① なぜ原発事故は発生したのか?防げなかったのか?
② なぜヨウ素剤が配布されなかったのか?送信されたFAXがなぜ置き去りにされたのか?
③ なぜ県に送信されたSPEEDIのデータは市町村や住民やに伝わらなかったのか?
④ なぜ初期被ばくによって甲状腺がんが多発しているのか?
⑤ なぜ入院中の患者が置き去りにされ亡くなったのか?
⑥ なぜ住民の初期被ばく(経口摂取と吸入摂取等)は防げなかったのか?

といった内容を検証し・伝える事で後世が学び新たな対策を打てる事になります。現在の伝承館の展示内容で後世には何を伝えようとしているのでしょうか?

現在の福島県内の線量が世界の都市と変わらないといったメッセージを出すことは世界中の人々に都合の良いデータだけを発信し、都合の悪いデータを隠せば、福島の実態とはかけ離れた現実を発信する事となり、世界中の人々を騙していることになりませんか?

以下伝承館の展示情報発信の問題点・矛盾を昨年ブログにまとめています。
『原子力災害伝承館はこれでいいのか』
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2020-09-30
『原子力災害伝承館はこれでいいのか(その2)』
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2020-12-25

『東電と国は信頼できるのか』
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-04-21

以下はご参考です。
2日間にわたり、浪江町の請戸小学校の震災遺構、請戸漁港、復興記念公園(工事中)、原子力災害伝承館、東電廃炉資料館、Jビレッジ、リプルンふくしま、ふたばいんふぉ、夜ノ森、富岡アーカイブ・ミュージアムと多くの施設を見てくることができました。

大熊町や双葉町、富岡町の一部(夜ノ森)、浪江・津島地区の壊れたままの住居を見てまだまだ復興には遠く、溶け落ちたデプリの取り出し方法も実現にはほど遠く、廃炉(更地)などは100年以上かかるだろうと思っています。原発事故後10年経過しても、いまだに線量が高い地域が存在し今なお自宅に帰れない住民や、飯館の住民が甲状腺がんで亡くなったという情報に触れに原発事故の悲惨さ、東電と国の責任の重大さと怒りを強く感じてきました。

廃炉についても、汚染水対策(トリチウム汚染水海洋放出等)、賠償問題、裁判での対応、情報隠蔽等の無責任な対応に怒りを通り越して呆れるばかりです。

今回の浪江町⇔楢葉町の2日間にわたる原発震災遺構を巡る旅は以下のブログにアップしました。
まだ続きます・・・

https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-10-27
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-10-31
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-01

以上、伝承館の展示内容に対する問題提起や改善要求に関し、コメント等頂ければ幸甚です。
高村館長にはICRPのシンポジウム時にも問題提起しております。


更にUNSCEAR2020レポートに関する情報と問題提起もした。

当日高村館長とのほんのちょっと話した件ですが、高村館長の認識は間違っています。ヨウ素で汚染された野菜は3月23日まで流通していました。これを摂取した子供たちは甲状腺等価線量で100mSv以上の内部被ばくをしています。

詳細は添付の【質問1】をご覧ください。吸入摂取の矮小化についても【質問2】~【質問9】をご覧ください。
高村氏が間違った認識や情報を多くの国民・市民に伝える事は重大問題だと考えます。この認識を正す事こそが伝承館の展示内容を覆い隠す事なく、正確に後世に伝える事になります。正しく実態を伝える事こそが伝承館の基本的な役割のはずです。

UNSCEAR2020レポートに関する線量評価や日本作業グループやUNSCRARの中立性へ疑問についてUNSCEARに提出した公開質問を添付します。今後UNSCEARには追加質問する予定ですので、コメント等頂ければ幸甚です。

また、伝承館の関係者や福島県の関係部門、そして健康調査検討委員会等への転送し関係者の意見を頂ければありがたいところです。

以下のブログにも一部アップしてます。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-09-19
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-09-20

内部被ばくに関する矮小化についての記事
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-10-09

UNSCEARからの回答は以下をご覧ください。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-10-22

質問1の③を以下転載
③未公開福島県中央卸市場データ(3月19日)
 福島市のアサツキ  ・I-131  48,000Bq/kg ・I-132 76,000Bq/kg
※出荷制限なし(注1)  ・Cs-134 64,000Bq/kg ・Cs-137 64,000Bq/kg
★大玉村のホウレンソウ ・I-131  43,000Bq/kg ・I-132 73,000Bq/kg
※3月23日まで流通 ・Cs-134 90,000Bq/kg ・Cs-137 89,000Bq/kg
福島県内各地で10,000Bq/kg以上の野菜が3月22日まで出荷されていた。
(注1)(詳細は別紙1-3及び以下OurPlanetTVのURL)
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2597

出荷制限の3月23日まで大玉村のホウレンソウ―★と同等レベルの汚染された野菜を1日200g(大人は400g)摂取すれば、13日(爆発は12日)から23日までの11日間のI-131の平均汚染度は19日(8日目)の約1.1~1.15倍程度とすれば

例1:幼児が1日200gを摂取した場合の甲状腺等価線量は 
   43,000×0.2×12日×1.15=118,680Bq
   118,680×2.1E-06 Sv/Bq=249mSv
   ( 注:摂取量が400gになれば498mSv)

例2:大人が1日400gを摂取した場合の甲状腺等価線量は 
   43,000×0.4×12日×1.15=237,360Bq
237,360×4.3E-07=102mSv 
(注:摂取量が800gになれば204mSv)     
   いずれも甲状腺等価線量は100mSvを超える



この記事へのコメント

この記事へのトラックバック